コンサルタント活用のメリットは岡目八目
更新日:
公開日:
コンサルタントを利用するメリットの一つに「岡目八目」があります。
「岡目八目」の言葉は囲碁に由来します。
囲碁の対局当事者よりも、わきで見ている第三者の方が八目分、先を見通せるという意味。
コンサルタントが岡目八目である理由
では実際に、コンサルタントは岡目八目、つまり社内の人間よりも八目も先まで見通せているのか?
いろいろと反対意見はあるかもしれませんが、私の専門分野である内部統制に関して言えば、「社内の人間よりも先を見通せている」と自信を持ってコメントできます。
理由1:経験が違うということ
理由の1つ目。まずは「経験」が違うということ。
会社がコンサルタントを利用する一つとして、会社に不足しているものを補うために利用するということが挙げられます。
つまり、会社がこれから構築運用していく体制を、既に私は経験しているという関係にあって初めてコンサルタントとして成立する、ということです。
従って必然的に「会社の経験 < 私の経験」という図式になります(いわゆる作業する人間ではなく、純然たるコンサルタントとして利用の場合)。
理由2:会社外部の意見であること
2つ目。会社側では既に社内の視点で構築運用している部分があるということ。
つまり、社内側の視点では相当程度、アイディアは取り入れられ済みです。
一方で外部視点では「未開の地」の部分も残っているので、その点を提言していけば「なるほど」と思ってもらえる点も多いということになります。
理由3:管理視点であること
3つ目。組織管理に関して言えば、会社よりも利害関係者の方が、管理の視点で会社を診ている人間が多いということ。
例えば、銀行、VC(ベンチャーキャピタル)、証券会社、監査法人など。
そういう人達からの視点からすると、組織管理の体制に関する提案はコンセンサスを得られやすいものが多いということになります。同じ社外の人間の視点でもあることから「先を見通せている」という評価にもなります。
理由4:あきらめ感
最後に一つ。
以上の通りコンサルタントの利用は会社にとって有用ではありますが、とはいっても社外の人間であるだけに「的外れな」提言をすることもあります。
ただそれは「社外の人間だから仕方ないな」「どうせ社外の人間には分からない」というある種「あきらめ感」にも似た感情が含まれ、結果として許してもらえるケースも存在しているだろう、ということ。
コンサルタント活用のメリットまとめ
以上、少し変わった表現で、コンサルタントを利用するメリットについて説明しました。
コンサルタントのメリットを一般的な表現でコメントしてみますと、私は次のことだと考えています。
- 1.専門的な知識経験を有しており、専門分野の立場からアドバイスしてくれる。
- 2.第三者として独立した立場から客観的な視点でアドバイスしてくれる。
1.は言うまでもないでしょう。1.がなければコンサルタントとして成り立ちませんから。
それに対して2.について、皆さんはどのように考えるでしょうか?
私は、「2.があってのコンサルタントなんだ」と考えています。
コンサルタントについて私が思うところ、考えるところ
例えば、1.を有しているだけであれば、別にコンサルタントを利用せずとも、その分野に強い従業員を採用しても変わりはありません。
しかし、同じ専門分野の知識経験を有していたとしても、従業員とコンサルタントでは立場が違います。
従って、経営者の質問に対する答えも、提案するアドバイスも、従業員としての立場とコンサルタントとしての立場からでは、異なるものになるでしょう。
従業員であれば、社内の人間であり経営者と同じ側の立場にいます。また、経営者(会社)に雇用されている立場でもあります。
すなわち、「言いたいことを言えない立場」ということです。
一方でコンサルタントは、社外の人間であり、また経営者(会社)とは形式的には対等な関係にある立場です。
「会社と独立した第三者として、言うことを言える(言わなければいけない)立場」ということです。
※「言う」という表現を使っていますが、実際のコンサルタントは「文書化する」の方が表現は相応しい。
もちろん実質的には対等でない関係もよくあるケースですが、この場合には会社側は「もったいないことをしている」と思ってしまいます。
2.のメリットを享受できるチャンスを逃し、従業員と同じような立場での関係を求めているわけですから。
もちろん、メリットが全くないわけではないでしょう。
しかし、「第三者とした独立した立場から客観的な立場で会社を診てもらう」というメリットを上回るメリットは、果たして得られるのだろうか、と思います。