トップ

実務対応報告第32号「平成28年度税制改正に係る減価償却方法の変更に関する実務上の取扱い」の公表(企業会計基準委員会)


企業会計基準委員会(https://www.asb.or.jp/asb/top.do)は平成28年6月17日に、実務対応報告第32号「平成28年度税制改正に係る減価償却方法の変更に関する実務上の取扱い」を公表しました。

参考URL:https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/documents/docs/depreciation/


【減価償却の定義・目的】

減価償却とは、適正な期間損益計算を目的として、費用配分の原則に基づいて固定資産の取得原価をその耐用期間における各事業年度に配分することをいいます。減価償却は所定の減価償却方法に従い、計画的、規則的に実施されなければなりません(正規の減価償却)(「企業会計原則五」、「連続意見書第三の第一、一及び二」)。


【減価償却計算の方法と会計方針としての注記】

上記定義のうち「所定の減価償却方法」には、定額法・定率法などがあります(「企業会計原則五」、「連続意見書第三の第一、六1」)。また、固定資産の減価償却方法は、会計方針として財務諸表に注記しなければなりません(企業会計原則注解1-2、財務諸表等規則8条の2第1項3号、連結財務諸表等規則13条5項2号)


【税法基準による減価償却の会計処理に関する取り扱いついて】

日本では、減価償却に関する法人税法上の損金算入として損金経理要件が定められていることから、いわゆる「税法基準」による会計処理が実務上一定の範囲で認められています。


【平成28年度税制改正】

平成28年4月1日以後に取得する建物附属設備及び構築物の法人税法上の減価償却方法については、定率法は廃止され定額法のみが採用できることになりました。



実務対応報告第32号について

今回実務対応報告の公表は、上述の平成28年税制改正に対応して建物附属設備及び構築物の法人税法上の減価償却方法に関する取り扱いを示したものです。


【実務上の取り扱い】

・次の1から3を全て満たす場合には、当該変更は法令等の改正に準じたものとし、会計基準等の改正に伴う会計方針の変更(企業会計基準第24号5項(1))として取り扱う(2項)。

1.減価償却費の計算について、いわゆる税法基準による会計処理を採用している。
2.建物附属設備、構築物又はその両方に係る減価償却方法について定率法を採用している。
3.平成28年4月1日以後に取得する建物附属設備、構築物に係る減価償却方法を定額法に変更する。

・上記に記載する会計方針の変更以外の減価償却方法の変更については、正当な理由に基づき自発的に行う会計方針の変更(企業会計基準第24号5項(2))として取り扱う(3項)。


【結論の背景より】

企業会計基準第24号「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」の適用にあたっては「会計基準等の改正」に該当するかどうかが判断上のポイントとなります。

日本では、いわゆる税法基準による会計処理が一定程度容認されていることから、実務対応上は「税法基準=法令等の改正に準じたもの」とし、会計基準等の改正に伴う会計方針の変更として取り扱う、としています。


【適用時期】

公表日(2016年6月17日)以後最初に終了する事業年度のみの適用となります(一定の場合には公表日前の日付が属する事業年度に適用も可)。


作成日:2016年7月3日
須藤公認会計士事務所
須藤恵亮


戻る | コラム一覧 

TOPへ戻る

Profile

  • Profile
  • 名前:須藤恵亮(すとうけいすけ)
  • 須藤公認会計士事務所代表
  • HP制作や情報セキュリティなど他とは異なるビジネスを展開している会計事務所です。
  • ・Home
  • ・事務所概要
  • ・ビジネス紹介

最近の記事(コラム)

・「不正な財務報告及び監査の過程における被監査会社との意見の相違に関する実態調査報告書」の公表について(日本公認会計士協会)
・新規株式上場(IPO)意向に関するアンケート調査(帝国データバンク)
・2015年度 コンプライアンス違反企業の倒産動向調査(帝国データバンク)
・「不適切な会計・経理を開示した上場企業」調査(東京商工リサーチ)
・国際会計基準(IFRS)に基づく連結財務諸表の開示例の公表について(金融庁)
・改正企業会計基準適用指針第26号「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」の公表(企業会計基準委員会)-税効果会計
・有価証券報告書の作成・提出に際しての留意すべき事項について(平成28年3月期以降)の公表(金融庁)
・有価証券報告書レビューの実施について(平成28年3月期以降)の公表(金融庁)
・「公認会計士・監査審査会検査の実効性の向上〜大規模監査法人を中心に〜」の公表について(公認会計士・監査審査会)
・株式の取得(子会社化)に関するお知らせ(TDnet)-連結財務諸表(資本連結)の改正について



関連リンク

会計入門〜実務に役立つ会計の入門
原価計算入門〜簿記資格の学習を支援
商業簿記入門〜2級、3級の資格学習を支援
会計ヘッジ|将来リスクを回避するためのサイト