ベンチャーや成長企業の事業計画作成 | 3+αのポイント

このページでは、須藤公認会計士事務所(東京)が考える、企業価値を向上させるための事業計画の作成ポイントについて説明します。

事業計画の定義と策定する目的

定義

事業計画とは、会社の将来あるべき姿を目標として設定し、その目標を達成するための具体的な方針や行動施策を計画したものです。

将来あるべき姿は、1年後(短期)、3~5年後(中期)、5年以上(長期)の各事業計画が設定されます(中期まで設定する企業が多い)。

作成の目的

事業計画を策定する目的は次の通りです。

  • 1.投資や取引につなげるためのコミュニケーション・ツール(対外視点)
  • 2.経営者の将来ビジョンを経営陣・従業員へ伝え、ビジネスの方向性を示す(対内視点)

事業計画の策定プロセスの中でコミュニケーションが活発化し、社内の一体感、モチベーションが向上します。

ビジネスステージ別の策定目的

企業のビジネスステージによって、重点を置く策定目的は異なります。例えば次の通りです。

  • 1.ベンチャー企業
    事業を拡大させるための資金を調達する。またビジネスの理解を社内外に促す。
  • 2.社歴が長く成熟・安定した企業
    毎年の運用資金を獲得する。
  • 3.再生、再建中の企業
    金融機関を始めとする社外からの協力を得る。また社内、経営陣・従業員のモチベーションを上げる。

ベンチャーや成長企業が作成する事業計画のポイント

ベンチャーや成長企業は、これから実績を作っていきます。

従って、現段階では事業計画を策定し、社内外が納得するような「将来ビジョン」をきっちりと示していくことが肝要です。

それでは、ベンチャーや成長企業が事業計画上で「将来ビジョン」を伝えるには、どのような点に気を付ければよいのでしょうか。

以下に事業計画の策定のポイントをまとめてみました。

1.ビジネスの将来的な広がりを説明する

投資する金融機関の立場からは、「儲かるかどうか」「投資額を大きく上回る、十分な利益を生み出せるかどうか」は慈善事業ではなく営利目的で投資するため、最も重要なポイントです。

貴社のビジネスが将来的にはどの位伸びるのか、という「潜在可能性(伸びしろ)」が十分にあることを事業計画上で説明しましょう。

2.分かりやすく説明する

貴社を初めて知ることになる人間にも理解できるような事業計画を作りましょう。

難しい専門用語はできるだけ平易な言葉に置き換えるなど工夫して、貴社の方から歩み寄る姿勢が必要です。

他社が行っていない、新規ビジネスを展開している企業には特に当てはまることです。

3.信頼できる計画であること

実現不可能な計画を提示しても誰も信用してくれません。また実現可能な計画と考えたとしても社外の人間には理解できない計画では信頼を勝ち取ることはできません。

定性・定量計画ともに裏付けとなる客観的なデータ・資料を収集し、かつそれらデータを合理的な考え方で分析し説明することが必要です(商談が進むに従って裏付け資料も提示を求められます)。

1つの事業計画を策定するには、膨大な量の裏付け資料が必要となることを認識しましよう。

また、客観的なデータ・資料の裏付けがあったとしても、資料間の整合が取れていなかったり、事業計画全体にバラツキが感じられる場合にも信頼感は得られないでしょう。

信頼を勝ち取るためにはプラン全体の「一貫性・整合性」も重要です。

事業計画作成で大事な「プラスアルファ」

信頼できる事業計画の策定には、もう一つ必要なことがあります。

それは「実績が正確に把握できる体制が構築運用されているかどうか」ということです。

どれだけ事業計画が素晴らしくとも、実績を把握できない体制では信頼を得ることはできません。

月次で予算と実績を把握できる体制が求められます。

もし現時点では月次決算を含め、重要指標を正確に把握できるような体制ではないということであれば、実績を把握するための体制作りについてもアクションプランを立てて事業計画に盛り込んでいくことが「信頼できる計画の策定」につながるでしょう。