ベンチャーや成長企業の決算体制の3つの構築ポイント

このページでは、須藤公認会計士事務所(東京)が考える、企業価値を向上させるための決算体制の構築ポイントについて説明します。

決算(体制作り)のメリットとデメリット

1.メリット

(1)経営者の判断資料(元データ)となる。
決算データを利用した経営管理資料が、制限ある経営資源(人、モノ、金、情報)を、より適切にビジネスに配分することにつなげる。結果として、より有効な経営判断を行うことができる。

(2)事業・部門の判断資料(元データ)となる。
月次・四半期・年度の計画(予算)と決算数字(実績)を比較し、原因を分析することで今後のアクションに役立てることができる。

(3)ビジネスの方向性を確認できる。
決算資料を毎月の会議資料として使用することで、参加メンバー間でビジネスの方向性を共有することができる。結果として、業務の有効化・効率化にもつながる。

(4)年度決算の早期化
月次決算を行うことで、年度決算上の課題を早期に発見することができる。また、年度の業績も早期に予測することができる。

※これから会社を成長・拡大させようと考えている企業であれば、企業外部に対する業績開示は、将来的に重要なタスクになる。

(5)資金調達に役立つ
金融機関から決算資料の提出を求められても、直ぐに対応でき、融資交渉に役立つ。

決算体制が整っていれば、金融機関も安心して融資することができ、結果として資金調達の成功確率がアップする。

2.デメリット

(1)経理人員の増加や研修費用、会計ソフトの導入など、体制作りに経営資源を投下する必要がある。
(2)手続が煩雑だと、経理を始めとした関係部門全体のモチベーションが下がるおそれがある。

ベンチャー、成長企業の決算体制の構築ポイント

1.経営視点で構築する

決算体制の構築といっても、月次・年度の「決算資料作り」自体を目的とはしません。

決算手続自体は経理部を始めとした事業・部門レベルで実施することです。

そうではなく、トップダウン主導で「資料をどう活用するのか?」という視点で、経営に役立つ決算体制を構築します。

2.事業ステージや組織の成熟度合いに応じた決算の体制を構築する

どのような決算体制とするかは、会社の事業ステージや組織の成熟度合いを考慮して検討します。

なぜならば、事業ステージや会社組織の成熟度合いには合致していない体制を構築してしまうと、デメリットがメリットを上回ることになったり、または全く効果が得られないような体制を作ってしまうことに繋がりかねないからです。

会社を良い方向に導くための決算体制作りが、結果として会社を悪い方向へ進めることになってしまうことは絶対に回避しなければなりません。

以上から、事業ステージや成熟度合いを考慮して、決算体制を構築します。

3.会社単独で完全に対応することを最終目標とする

弊社を始めとする会計コンサルタントなどに、業務委託している会社もあるかもしれません。

しかし、事業が成長している会社であれば、決算業務は最終的には社内単独で行うことを目標とすべきです。

なぜならば、「財務報告」は株式会社にとって、経営者が株主などの利害関係者から課されている責任であるからです。

そのための体制を自社単独で行えていないのであれば、対外的にも一人前の会社とは認められないでしょう。